生き方012:『ロバのはなし』~順風満帆なのはいいこと?001

順風満帆であることは、本当に望ましいのでしょうか?
三者三様、考え直してみる話を3題。

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◆「Less is More」

「Less is More」
 これが人生のほとんどの分野に
 当てはまることをよく考えてみることだ。
 
 「今持っているモノで満足し、ありのままの姿を喜ぶことだ。
何も欠けていないと悟れば、全世界が自分のものになる」
 ----- 老子 -----
  
今日が楽しくなる魔法の言葉
著者: アーニー・J・ゼリンスキー ダイヤモンド社 / 2003-09-20
 
いま手に入れたいと躍起になっているものを思い浮かべてください。
出来ればそれを100%で手に入れたいと思い、
あと少しの努力を手を抜かないように頑張っています。
いつからか80%では失敗だと思うようになってしまった。

しかし、80と100の間は非常に遠いのです。
ちょっとした手違いで失敗があっても、80くらいなら無理しなくてもなんとか手に入る。
80にしておけば無理しないで手に入るのなら、
80にとどめれば残ったエネルギーを他のことに向ける余裕も出てくるでしょう。
しかし、それでは満足できない。
100でなければならない。それでも100を目指してしまう。
80から100への距離は、それまでの全部よりも大変なのです。
全神経を使って取り組まないと、ちょっとした油断で取りのがすかもしれない。
1%でもかけたら100にはならないと思うと、他のことにも気が回らない。
 
このような、80から100への「無駄な」努力をやめたら、どんなに気が楽になるでしょう。
どれだけ、平和な日々が戻ってくるでしょう。
「Less is More」が当てはまらないか考えて見ましょう。
 ~~~
社会は朝から晩まで100では飽きたらず、120が手に入る方法や商品を売り込んできます。
あなたのうちには、この商品はありますか?
これがないと、80どまりですねー。
余裕があれば、これをプラスすれば、120にでもなれるんですよ。
 
いままで80で満足していたのに、ちょっとした隙をつかれて100の提案を持ちかけられる。
すると、あなたは「今のままで十分です」と答えはしますが、100への魅力が頭の片隅に残ってしまう。
以前に100を手に入れた時のことを思い出し、それもいいかもしれないと思い始める。
そこで何が起こるでしょう。
 

◆苦しみがなくなるのではない
 

苦しみが
なくなる
のではない
 
苦しみで
なくなる
のです
 
 
There is always suffering,
but through it we can overcome suffering.
 
度一切苦厄(どいっさいくやく)
 
一切の苦厄を度したまえり。
 
羅漢さんの絵説法〈2〉般若心経―空即是色 花ざかり
荒 了寛 里文出版 / 2001-05
 

苦しみはいつもあります。
 
しかし、苦しみを苦しみとして受け取るとき、それはそこで終わります。
苦しみを受け取り、受け入れるとは、そのまま苦しい状態を経験することです。
それをあえて拒絶しなければ、それがいつまでも続くことはないのです。
 
ところが、実際には苦しみはそこで終わらないことが多いですね。
そんなとき、私たちは苦しみをそのまま受け取ることに何らかの形で抵抗しているのです。
どうにもならないことを受け入れていれば、苦しみはいつまでもそこに残っていることはないのです。
災害などが相手の場合と違って、私たちは身の回りの苦しみ対しては、ついつい抵抗を試みてしまいます。
あなたが負けたとき、負けを認めて必要なら敗者の苦痛を味わいつくしてしまえば、その勝負はそこで終了します。
しかし、あなたが本当は負けていないと言い張るなら、今度は戦いは競争相手との争いではなく、あなた自身の内面で何時までも争いをくすぶらせることになるのです。
あなたは、その勝負を思い出すたびに、自分は負けていないという理由を自分に説明し続けなければなりません。
あなたが、負けてしまった自分を受け入れたくないと言って、抵抗し続けるからです。
「そんな自分は、私ではないはずだ」と自我は言い張ります。
そのため「私」は、受け入れたくないと頑張る自分と、実際に存在した自分とに分裂し、自分の中で統合できなくなってしまいます。
それが何をやっていても、確固とした自分を感じられなくなる原因なのです。


◆ロバの話

ここに極めて考えさせられる「ロバの話」があります。
 
まずは、その話を紹介しましょう。
 
古代中国のあるところで、村人達が役人から皇帝のための寺院を建てるように命令を受けました。役人は、もし指定の期日までに寺院が完成すれば、村人達に多くの報酬を支払うことを約束しました。
 
寺院を建てる場所に選ばれたところには井戸があったので、村人達は寺院を建て始める前に井戸を埋めなくてはなりませんでした。村人達はロバに土や泥を運ばせました。
 
ある日、事故が起こりました。ロバが井戸に近づき過ぎて足を滑らせ、井戸に落ちてしまったのです。
村人達はロバを引っ張り上げようとしましたが、うまくいきませんでした。
何度も試みた後、村人達はロバを助けるために時間を取りすぎていることに気づきました。
 
寺院完成の期日を考え、村人達はロバを犠牲にすることに決めました。
村人達はロバを生き埋めにするしか方法はないと思い、井戸に土や泥を入れはじめました。
 
ロバは村人達が何をしようとしているかに気づき、悲しげに鳴き始めました。
村人達はロバの悲痛な鳴き声を聞きながらもそれを無視しました。
ロバは彼らの得る報酬に比べるとそれほど価値がなかったので、土を入れ続けたのです。
 
しばらくすると、ロバの悲しげな鳴き声がやみました。
村人達は何が起こったのか、ロバはもう死んでしまったのか、それともただ単にあきらめたのか、一体どうしたのかと不思議に思いました。
 
気になって井戸を覗いてみると、驚いた光景を目にしました。
ロバは元気に生きています。
土や泥が降りかかってくると、ロバは体を揺すって振り払い、足元で土が固くなるまで踏みつけるのです。
踏みつけることによりしっかりした足場ができ、ロバは少しずつ上に上がってくるのです。
 
ついには、ロバは井戸のなかから飛び出るのに十分な高さまであがってきました。
ロバは力強いひと蹴りで井戸から飛び出しました。
村人達は驚きのまなざしでロバが頭を高く上げて走り去るのを見ました。
 
タオの生き方 ロバ  デリック・リン
http://www.taoism.net/japanese/
 
 
さて、この話を読んで、あなたがロバの立場だったらどう思うかを正直に考えてみてください。
すぐに「どう考えるべきか」を探ろうとしないで、「実際自分ならどうなってしまうだろうか?」と思いをめぐらしてみてください。
こんなふうに考えるだろうといったら、人は何と思うだろうと心配したりしないで自由に考えてみてください。
それを正確に知ることが、いまのあなたの陥りやすい心理の罠を明らかにしてくれるはずです。
 
1.「嘆きとパニック」

なんで私がこんな目にあわなければいけないんだ!
村人は私に土を運ばせておきながら、自分たちの都合が悪くなると簡単に私を見捨ててしまった。
こんなひどい仕打ちが許されていいものだろうか!
もし脱出できたら、必ず復讐してやる!
まるで「誰が悪いのか」「何が悪いのか」を追求すれば、事態が良くなるかのように思わずにはいられません。
こんな目に合わせた人間は「許せない」と思うことで今の悲惨な状況から目を逸らしたくなります。
しかし、この段階にとどまれば、何も解決しないことに気がついてください。

2.「何かが間違っている」

こんな目に遭うなんて、何かの間違いだ。
私の人生に、こんなことが起きていいはずはない。
「夢でもみているんだろう、すぐに間違いだったと分かるだろう。」とでも言いたげに、現状を認めることが出来ません。
人生は計画を立てて、そのとおりに運ぶもの、願ったことはかならずかなうもの、それが出来ないのはやり方がまずいからだ。
そう考える人には、計算外の事態は何かの間違いだとしか信じられません。
しかし、「自分が考えた」計算通りに運ぶのは、たまたまでしかないことを忘れてはなりません。
いままでも、そのとおりになってきたと信じているのは、ものごとをあとづけで考えているからです。
あとから、思ったとおりに運んだのだと説明しているだけです。
ものごとは、かならずしもあなたの考えたとおりに動いていくわけではありません。
そもそも、そうでなければ、他の人の相反する願いも同時にかなうはずでしょう。

3.「現実を受け入れる」

ロバは、現実を嘆いたり、事態が超現実的に変化することを願ったりするのを諦めました。
そして、何が起きているかを正直に認めることを始めました。
落ちてくる土を、「自分を埋めようとするもの」とだけ思うのをやめて、体を揺すって振り払ってしまえばいいのだと思いました。
それを足場になるように踏みつければ、埋められてしまうことはないことに気づきました。
そして、少しずつ足場を固めていけば、出口が近づいてくることに気がついたのです。
今の自分ができることは、土を避けることと、足場を固めることです。
土を落としてくるのは、自分ではなく人間ですから、それがいつまで続くか自分にはコントロールできません。
自分にできないことは気にしないことにしました。
そのようにものごとが進んでいるのですから、それに従うことだけを考えればいいのです。
事態がどのように変化するのかは、自分にはわからなくても、出口が近づいてくることを、今出来ることをやるだけです。
実は、自分の人生がどのように運んでいくのかは、誰にもわかりません。
しかし、私たちは(2)の考え方にしがみついていれば、人生が予測可能であるかのように振る舞っていられることを覚え、自分をごまかすようになるのです。
この結果、私たちは「夢に生きる」ことを「現実に生きる」ことよりもリアルであるかのように錯覚してしまうのです。
ですが、このような予測不可能な現実が起きると、(2)のような信念はいかにもろいものかが露呈してしまうでしょう。
しかし、予測不可能であることは、かならずしも悲観的であることと同じではありません。

 ・・・・・・・・・

ロバのように、役に立たない考えを切り捨てて、現実を認めるとき、起きていることは何も悲観するようなことではないことが分かってきます。
悲観とは、現実ではないことを願うことから生まれてきます。
現実的でない願いを捨てれば、直ちに悲観は消え去ります。


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