生き方005:ほどほどに~要はバランスだ!001

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2012-09-12_105114

◆他人をあてにしなければ

 

他人を

あてに

しなければ

怖いものは

なくなる

 

When one does not rely or depend on thers,

one frees oneself of fear.

 

無有恐怖(むうくふ)

恐怖有ること無く、

「了寛」

 

羅漢さんの絵説法〈2〉般若心経―空即是色 花ざかり

著者: 荒 了寛 里文出版 / 2001-05

 

「他人をあてにしなければ、怖いものはなくなる。」

 

これはいいかえれば、恐怖を生み出している原因が、他人への期待の中に存在するということです。

 

あなたが、「ただそうしたいからやる」とき、そこには義務はありません。

 

しかし、あなたが「そうしなければならないからやろう」と思わざるを得ないのは、自分を全面的に信頼できていないからです。

 

自信がないから、義務に従っておけば間違いないだろうという考えなのです。

 

そして、自分を義務に従わせようとする人間は、他人にも同じことを期待します。

相手が同じように義務に従わないと怒りだします。

 

しかし、自分にしろ他人にしろ、義務を押しつけられれば反抗するものです。

 

義務にしばられたり、反抗したりするのが苦しいのは知っていながら、他人が義務を果たさないとなるとそれは許せない、というジレンマに苦しむことになります。

 

 

他人に義務を果たすように期待することが、それを裏切られることへの恐れを生み出します。

 

「あの人は私の期待するように動いてくれるべきなのだ」

 

そう言い聞かせながらも、もしかしたら期待に答えてくれないのではないかと怖くてしかたがないのです。

 

「そうしたいと思ったらやってもいい」とか、自分にはやりたければそれをやる資格があると信頼できているのなら、義務がどうのこうのと考えることはないのです。

 

義務を果たしてやるべきことはやっているから、ようやく自分のやりたいことを許すことにしようという、恐れに縛られた行動とは根本的に違っているのです。

 

そして自分に不要な義務を押しつけない人は、他人にも義務を課さないし期待もしないでいられます。

 

他人がそれをやるかどうかは、その人がそうしたいかどうかの問題であって、自分の期待と異なるからといって、その人を責めたり自分が傷つけられたと感じる必要はないのです。

 

相手が期待に応えてくれないと自分が傷ついたと感じるのは、それだけ自分への価値観が低くなっているのです。

 

「他人が自分の期待に応えてくれるかどうか」で自分の価値を決めているから、他人の反応次第で自分の価値が揺らいでしまうのです。

 

傷つくのを恐れる気持ちが強くなれば、裏切られる事態をまねくのを回避しようと考えるかも知れません。

 

「私は誰にも期待なんかしない!」と強がってみせるかもしれませんが、傷つくくらいなら自分の欲求を否認した方がまだましという無理なこじつけです。

 

このようにして自分の欲求を抑えようとするには、他の感情にまで鈍感になるしかなくなるわけで、回り回ってそれが無気力な自分を生み出すことになってしまいます。

 

それに「自由に欲しがってはだめ!」と言い聞かせ続けているのですから、自発的な行動はどんどん抑えられていくのです。

 

 

まずは自分に隠されている無価値感に気づいて、それに取り組まないとなりません。

 

自分のことをダメだと言っている自己憐憫の気持ちは、自分への無価値感から来ています。

 

自分のことを無条件に信頼し、大事にし、尊敬できるという気持ちが持てないでいるということです。

 

自分には無条件に人から愛される資格があると信じられないから、条件付きで自分に承認を与えようとするのです。

 

「これだけやったから許されるだろう」という自分への思いは、他人へ投射されて義務を果たさない人を非難することにつながります。

 

さらには、期待に応えてくれないのは自分にそれに値する資格がないからだと思って、自分の価値観をまた値引いてしまうという悪循環に陥ります。

 

「そんなことを言われても、無条件に自分に価値があると感じられないよ」と思うのなら、今とは逆のことを実行してみることです。

 

何かをやりたいと思った時、すぐに条件をつけようとしている自分を見つけてそれを阻止します。

 

無条件で、ただやりたいことをやってしまうのです。

 

何の条件もつけずに、誰の許可を得ようともしないで、ただ自分のやりたい気持ちだけで動くようにします。

 

また他の人に対する場合は、これも先ほどとは逆に、義務を押しつけないように心がけることです。

 

「あなたはそれをやるべきだ」と言いたがっている自分を見つけたら、「その人がどうするかはその人が決めること」という原則を思い起こすことです。

 

さらには、それと並行して、見返りを期待して人に奉仕することをやめます。

 

「こんなにしてあげてるのに、どうして返してくれないの?」と思いたくなるような習慣をやめることです。

 

素直に相手に何かしてあげたいと思ったのなら、あなたがそうしてあげたいからそうするのだということを正直に認識しておくことです。

 

決してやってあげたと思ったり、貸しを作った気にならないことです。

 

 

思い出すたびに、いつもと逆の行動をあえて実行するようにしていれば、徐々に今までの行動と新しい行動のもたらす結果の違いに気づけるようになります。

 

前者が苦しい感情ばかり引き起こすのに比べて、後者の行動は軽さと自由さをもたらしてくれることに気づくでしょう。

 

そして、それと共に徐々に自分自身の価値観も高まってきます。

 

「これだけやったから許して」という言いわけをしなくても、自分の思うことを平気で自由にやる事が出来るようになってきます。

 

こうして「他人への期待」があなたの重要事項でなくなってくればくるほど、「他人をあてにしなければ、怖いものはなくなる。」という言葉の意味もわかってくるでしょう。

 

他人をあてにしないのですから、自分で動けばいいだけです。

 

それは自分だけで出来るし、自分自身で完結してしまえるということが重要なのです。



◆「身のほどをわきまえる」むしろ得意なことを伸ばそう

身のほどをわきまえないと

 

貧しい人は、財宝をお礼としたがり、老人は力仕事をお礼としたがるが、これは身のほどをわきまえないことからくるまちがいね。

 

よく自分のことを知って、できないことはすぐやめるのがかしこいやり方だ。

 

相手がそれをだめだというのなら相手がまちがっている。

 

身のほどをしらずに、ただいっしょうけんめいはげむっていうのは、考え方があやまっているんだよ。

 

貧しい者が身のほどをしらずにいると、物をぬすむようになり、体力の弱い者が身のほどをしらずにいれば病気になるんだ。

 

徒然草 第百三十一段

徒然草・方丈記 (少年少女古典文学館) 嵐山 光三郎 三木 卓 講談社 / 1992-04-09

 

 

がんばれば夢がかなうという風潮が強いですが、がんばってもどうにもならないことも実際には多いものです。

 

少しくらい無理をしてでも、自分も出来るようになりたいと思う場合があるかと思います。

 

しかしそんな中でも、冷静に考えればやめておいた方がいいと判断できることも多いのです。

 

これには、自分の欠点は目につきやすいという心理が関係しているのかも知れません。

 

実は、基本的に自分を信頼している度合いが高い人は、少々自分の苦手な部分があっても、平気でいられるし、他の人にそれを見せることも怖がらないものです。

 

しかしそれとは逆に、自分に自信が持てない人ほど、まずは自分の欠点を何とかしないと先に進めないような気になってしまうのです。

 

自分の能力のなさを他人に知られてしまうと、嫌われてしまうという恐れが働きますから、何とか知られないうちに克服したいと思うわけです。

 

 

しかし、上記のように、中には自分には向いていないからやめた方がいいということもありますし、それよりも自分の得意なこと、向いていることを伸ばすことにエネルギーを使った方が得策だという場合も多いのです。

 

もちろん子どものうちなら、まだどのような才能が潜んでいるか分かりませんから、あまり早々と方向を決めてしまわない方がいいと思います。

 

しかし、何度もやってきて自分には向いてないし、他の人から見てもそう見えることなら、見切りをつけて自分の得意なことを伸ばす方に切り替えた方がいいのです。

 

それは能力がないから諦めろと言うよりも、自分の得意なことを伸ばす方がその人にとってもいいことだからです。

 

諦めきれないとしたら、自分に本当に可能性を感じている場合には、頑張って続けてもいいでしょう。

しかし、それが社会や周りが期待することだからという理由でしがみつくのは、あまり得策ではないように思います。

 

それよりも、あなたの得意なことを生かせる方向で努力すれば、あなたも無理しなくていいし結果も伴ってくるでしょうから、充実感も持てるわけです。

 

それに誰もが望んでいる能力というのは、競争の激しい分野であるのが普通です。

 

本当にその競争に参加して勝ち抜きたいのか、それよりも自分ならではの能力を生かす方向に力を入れた方がいいのか、よく考えてみた方がいいと思います。

 

 

自分の能力に挑戦したいと思って、自分と競争することはいいと思いますが、ただ利益を目指しての他人と競争するというのはさまざまな悪影響をもたらします。

 

競争で勝ち残るのはごく一部の人だけですから、当然無理をしても負けてしまう確率の方が高いのです。

 

もちろん弱気になれとか言っているわけではなくて、自分に自信があるのならチャレンジしてみて初めて出来る経験もあるわけですから、どんどんやればいいと思います。

 

また中には競争した方がより能力を発揮出来るタイプの人もいるでしょう。

要するに自分に合っているかどうかの見極めが大事と言うことですね。

 

他人との競争というのは、欲と同じできりがないものです。

いったん競争に入り込むと、一回で終わりというわけに行かなくなります。

そこまでやる価値があるかどうかは、冷静に考えた方がいいでしょう。

 

 

「誰でも頑張れば出来るはず」とか「出来ないのは努力が足りないせいだ」といった言葉は、使う場面によっては、無責任で有害な言葉になりかねません。

 

それに答えて自分まで中途半端に「はい、がんばります」と答え続けていると、いつまでも無理な関係を続けることになります。

 

兼好も言っている様に「相手がそれをだめだというのなら相手がまちがっている」のです。

 

いっそ「自分にはこれしかできません」と宣言してしまえば、自分を搾取しようとする人も周りから消えていきます。

 

それでも残るのは、あなたがそのままでいいと認めてくれる人です。

無理しないで生きたいと思う人には、願ってもない環境です。

 

自分の役割をわきまえてそれを充分果たすことが、結局は全体の役に立つことにもなるのです。

 

いつまでも勢いや根性だけで乗り切れるものでもありません。

長く頑張ってきたと思うのなら、ここらで方針を変えてみるのもいいかもしれません。

 

強くてこわばったもの下にいて根っこになり、

弱くて柔らかいものは上にいて花を咲かせる。

 

老子道徳経 第七六章

 



◆これで充分

人は、これで充分だと言う気持ちになれば、

自分の喜ぶことに時間を使えるようになる。

 

そうしてはじめて、自分の中にある

可能性を発見できる様になる。

 

しかし、素直に、これで充分だと感じることを

なかなか許してもらえない社会背景があります。

 

まわりの要求や、義務という名の強制、

それと競争心です。

 

もっといいものがあるよ!

と教えてくれるものがそこら中に

満ちています。

 

競争心をあおるものに事欠きません。

 

その燃料となるのは、比較という行為でしょう。

 

比較して、もっといいものが欲しい、

よく調べないと、いいものが手に入らない。

 

こうして、外の世界を探し回るという

満足感の得られない行為に

強迫的にかり出されてしまいます。

 

社会から切り離されて、隠遁生活を

すればいいのかも知れませんが

そういうわけにも行きません

 

そこで、時にはこれで充分だと宣言してみる

という時間を持ちましょう。

 

比較しつくして見たところで、

どうせたいした違いはありません。

 

他にやることがあるとか思わずに、

自分が喜ぶことを、思う存分させてあげる。

 

今の自分に満足する。

今持っているものを喜ぶ。

比較を持ち込まない。

必要ないもの、余分なものを求めない。

「こちらの方がすごいですよ。」「いいえこれで充分です。」

 

比較しない時間を持つと、充実感がわき上がってくる。

比較しないでいると、こころが穏やかになってくる。

 

TVのコマーシャルを見ながら、

「いいえこれで充分です。」と言ってみましょう。

するとこころが爽快になる。

 

探し求めても、どうせたいした違いはありません。

探し求めても、すぐに前と状況は変わらないことに気づく。

 

向上心と強迫的になることを一緒にしないこと。

 

きっとこんなことをしても大して変わらないだろうと

なんとなく気づいているのではないですか。

 

今の自分で満足です。

これで充分です。

 

 




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