代表的な心理療法である、交流分析と論理療法を軸に幾つかのテーマを集めてみました。

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◆意地悪な人 - エゴグラム

意地悪な人というか、他人の弱点を突くのが得意で、相手に痛手を与えてしまう人がいるものです。
もちろんそんなタイプにもいろいろあるでしょうが、典型的なパターンと標的にされる人との関係などを見てみたいと思います。

内容に入る前に「エゴグラム」や「交流分析」について、必要な知識を紹介しておきますのでざっとご覧ください。
 
エゴグラム - Wikipedia
  
エゴグラムとは、エリック・バーンの交流分析をもとに弟子のジョン.M.デュセイが考案した分析法である。
 
バーンの交流分析では親らしさのP(Parent)、大人らしさのA(Adult)、子供らしさのC(Child) の3要素が用いられたが、デュセイはPをさらに批評的な親であるCP(Critical Parent)と養育的な親であるNP(Nurturing Parent)に、Cをさらに自由奔放な子供であるFC/NC(Free Child/Natural Child)と従順な子供であるAC(Adapted Child)に細分化し5つの要素で分析する(後述)。
 
それぞれの要素は必ずしも高いほうがよく低いほうがよいというわけではなく、あくまでもその人の性格や人との関わり方などを表したものであり人の優劣を表すものではないが、一般にそれぞれの要素が中庸または強くかつバランスがよいのが理想的であるとされる。
 
日本では東大式エゴグラム(TEG)によりグラフで表示することが考案されたことで自己分析法として広く一般に知られることとなったが、国際的には 3要素で分析することが今でも一般的である。
 
 5つの自我状態
 
* 親の心(P)は親などの影響を受けて形成され、CPとNPに分けられる。
 
    CP(厳格な親の心)・・・信念に従って行動しようとする父親のような心。自分の価値観や考え方を譲らず、批判的である。
    NP(保護的な親の心)・・・思いやりをもって他者のために世話をする母親のような心。優しく、受容的である。
 
* 大人の心(A)は科学的な思考・行動の自我状態。
 
    A(合理的な大人の心)・・・事実に基づいて検討・判断する大人の心。冷静で客観的である。
 
* 子供の心は(C)子供の自由な感情・環境へ反応の自我状態で、FCとACに分けられる。
 
    FC(自由な子供の心)・・・自分の欲求・感情に従って行動する自由な子供のような心。明るく、無邪気である。
    (NC)(自然な子供の心)・・・FC(フリーチャイルド)の別名、ナチュラルチャイルド=自然のままの子どもの意。
    AC(従順な子供の心)・・・自分の感情を抑えて他人に良く思われようとする従順な子供の心。
 
 エゴグラムを用いた自己分析
 
自己分析方法としては東大式エゴグラム(TEG)やその応用が有名である。質問紙法で、50程度の質問に答えていき最後にそれを集計し点数化したものをCP、NP、A、FC、ACの順に点数を基に点を打っていき、グラフにする。グラフから各自我状態の強弱・性格の傾向を知ることができる。点数が高い自我状態はその自我状態の傾向が強いということであり、低いものはその傾向が弱いということである。(例えばNPが高い場合は優しくて思いやりが強い、低い場合は思いやりに欠け、冷たいというように判断できる。)
 
普通、子供の頃はCPやNPが低くFCやACが高いため右上がりになり、年を重ねるとCPやNPが高くなりFCやACが低くなるため次第に右下がりとなる。
 
一般に、日本人ではNPが最も高い山型でCPA>FC>ACとなるへの字型が最も多くかつ理想的とされ、欧米では Aが最も高い山型が最も多くかつ理想的であるとされる。
 
それではデュセイが紹介している「ゼスト」の症例に入ります。
 
ゼストの問題は、孤独であり不幸や絶望感を漂わせていて、ひとりぼっちになると飲み過ぎ、ひとりアパートで飲み過ごすけれど誰ひとり彼のアパートには訪ねてきません。
 
いじめゲーム エゴグラム(ゼスト)

 
ゼストのエゴグラムは、FC(自由な子供)が最も高く、次にAC(従順な子供)が続きます。
その次に来るのはCP(厳格な親)とA(合理的な大人)であり、他と比べてNP(保護的な親)が非常に低くなっています。
 
ゼストの幼少期の家庭環境は、父親はゼストが幼い頃に家庭を捨てて出て行ってしまい、母親は彼女自身の問題から人との親密さを持つことに問題を持ちます。
 
機会あるごとにゼストは妹をいじめていて、彼女の叫び声やかんしゃくを楽しんでいました。
 
母親との関係では普段親しさを見せない彼女に対し、ゼストが悪ふざけをしているときには注目を集められることを知ってそれを利用していました。


◆ずっと、何だって、僕が悪いんだ(論理療法1)

チャーリー・ブラウン:
ボクに妹ができたら、人生がすっかり変わるかもしれないって思ったけど、やっぱり、変わらなかった。
チャーリー・ブラウン:
みんなボクをきらってる...だれもボクのことを本当に好いてはくれない。
相変わらずそのことで落ち込むんだ...
ライナス:
かわいそうなチャーリー・ブラウン...
ライナス:
世界中のすべてのチャーリー・ブラウンのなかで、
彼こそ最もチャーリー・ブラウン的だな!

いつも自己否定から落ち込む習慣のあるチャーリー・ブラウンですが、「本当にボクが悪いの?」という問いかけをしなければなりません。
すべてが「ボクが悪い」のだと考え続ければ、ウツへ一直線に突き進むことになります。

セリグマン等は、「非理性的な思い込み」が悲観的な感情による結論に導いてしまうのだとして、注意すべき3つの要素を挙げています。
 
それらは、「時間的広がり」「影響がおよぶ範囲」「自分化」の3つです。
この3つを分かりやすく言えば、タイトルにあるように「ずっと、何だって、僕が悪いんだ」ということなのです。
 
順番に見ていきましょう。
 
◆「時間的広がり」(一時的かずっとか?)
ウツになりがちな人は、うまくいかない状況が起きたときに、それが永遠に続くものだと考えがちです。
「いつもこういうことが起きてしまうに決まっているんだ。」
「この困ったことは、これからずっと続いて行くに違いない」
永続的に続くという考えを「今回限りの一時的な出来事に過ぎない」と切り替えて考えられるようになれば、ウツになるのを防止できるといえます。
 
《うまくいかない状況》
◎永続的(悲観的)「この学校で、私と友だちになってくれる人はひとりもいないだろう」
◎一時的(楽観的)「新しい学校に転校したんだから、友だちができるまでには時間がかかるもの」
◎永続的(悲観的)「うちの母親ほど意地の悪い親は、世界にいない」
◎一時的(楽観的)「お母さんはこれまでになくきげんが悪い」
◎永続的(悲観的)「トニーは私を大きらいになって、もう二度と私とは出かけないだろう」
◎一時的(楽観的)「きょうはトニーは私にカンカンに怒っているから、私とは出かけないだろう」
また逆に、いいことが起きたときには、その原因を今回限りだと考えてしまうことはウツにつながりやすく、ウツになりにくい人は原因は「永続的」なものだととらえるようです。
《いい状況》
◎一時的(悲観的)「今回は一生懸命勉強したから、このテストで一番になれた」
◎永続的(楽観的)「一番になれたのは、僕が努力家で、この教科をよく勉強しているからだ」
◎一時的(悲観的)「安全パトロールのキャプテンに選出されたのは、みんなが僕によくしてやろうと思ったからだ」
◎永続的(楽観的)「安全パトロールのキャプテンに選出されたのは、みんなが僕のことを好きだからだ」
◎一時的(悲観的)「パパが私といっしょにいてくれたのは、最近、パパのきげんがいいからだ」
◎永続的(楽観的)「パパは私といっしょにいるのが大好きなんだ」
自分の成功が「永続的」な原因だと考えられる人は、一度うまくいけば次回からもずっとうまくいくだろうと考えることが出来るのです。
それに対して、いいことは「一時的」と思ってしまう人はうまくいったのはまぐれかなんかだと思ってしまいがちなのです。

◆「影響がおよぶ範囲」(限定的か全面的か)
なにかできごとが起きたときに、その影響が自分の人生のあらゆる所に影響してしまうだろうと考えてしまうのが、全面的ということです。
起きたことは、その事柄だけに言えることだと考えられれば、限定的に考えていることになります。
《悪いできごと》
◎全面的(悲観的)「教師なんて不公平なものだ」
◎限定的(楽観的)「カーマイン先生は不公平だ」
・・・・・・・・・・・・・・・ 
 


◆いやな気分を粉砕する(論理療法2)

まずセリグマン等がABC思考法と呼んでいる、論理療法の基本理論を見てみましょう。
人の悩みは出来事そのものではなく出来事の受け取り方によって生み出されるものであり、受け取り方を変えれば悩みはなくなるというのが基本的なスタンスである。そして、それはABC理論とイラショナル・ビリーフに集約される。
ABC理論

【A(うまくいかない状況)】
新 任教師の私は、中学二年生のクラスを農場に連れて行って農業を学ばせようと、ずいぶん時間をかけて準備をした。反対するベテラン教師もいたけど、私は子ど もたちに何か特別なことをしてあげたかった。農場に到着すると、生徒たちはてん
でに勝手なふるまいを始めた。牛にチューインガムをやろうとした子もいた し、干し草の山にかくれて女の子が二人、たばこを吸っているところを見つけた。もう少しで火事になるところだったわ。男の子たちのグループは卵を盗もうと していた。

◆「ハーイ今やります」~適応の3パターン

こどものころの適応パターンというのは、大人になってからも気づかずに使っていることが多いものです。
こどもは自発的な行動を自由にとれる場合もありますが、親と接する中で、苦痛を避ける方法と、承認を得るための方法を見つけ出していくことになります。
親から与えられる笑顔や、自分をうれしがらせれてくれる反応は、自分が正しいことをしていることや、承認されていることを意味するのだと受け取ることができるでしょう。
また、親の冷たい反応や、怒った表情からは、間違ったことをしたという苦痛と、叱責という観念を受け取ることになります。
こどもが「~ねばならない」を学んでいくのは、このように、ほめられたり叱られたりすることを通じてであるわけです。



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