★絶望からの解放~『苦しむことは無駄だ』
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精神的に苦しむのはイヤだと誰もが思っているでしょう。
しかし本気で「精神的に苦しむことは無駄だ」と言い切る人はどれだけいるでしょうか。
そう言い切るのに躊躇するのは、苦しみは時には必要なものであり、実際に生きていく上で避けられないものだとどこかで信じ込んでいるからです。
そういうことも人生の一部だから、すべての苦しみを排除することはできないと信じています。
しかし、苦しいことが巡ってくることと、それが必要なものであると信じることは同じではありません。
精神的に苦しみながら生きるのか、それを拒否するかはあなたの選択次第だからです。
苦しみは人生には必要なものであると、誰かの語る真に迫った訴えが聞こえてくるかもしれませんが、それを信じなければいけない理由などありません。
苦しみに対して自分がどういう態度をとるかは、自分で選択できるわけです。自分を絶望に追い込むような状況が起きたとしても、どう受け取るかは自分次第です。
それは、起きたことを否定したり見ないふりをすることではなく、そのような状況だから苦しみに落ち込まなければならないという思い込みを拒否することが出来るということです。
何か重要な問題に悩んでいる人は、このように考えがちです。
「この問題が片づかなければ何も考える気になれない。」
「このやっかい事さえ解決すれば本来の自分が取り戻せるのだが、今はどうしようもない。」
「この長年の課題さえ片づけば自分の人生を生きることに戻れるだろうが、それまでは。」
等々です。
そこでは、目の前の問題が大きく目の前に立ちふさがっていて、そこを離れた位置から世界を見ることが出来なくなっているのです。
その人がいくら想像をたくましくしても、見えて来るのは自分の経験の範囲での解決策だけなのです。
ですから、その範囲を超えたところにある世界など想像もつかないわけで、いくら夢見ても、そのレベルを超えては見ることが出来ないのです。
その閉塞感を抜け出さない限り、苦しみのない世界など想像がつきません。
苦しみは避けられないものだから、普段から、せめて気をそらすような慰みをと一時的な逃避をすることが、人生の本当の癒しだと思ってしまうのです。
そのような癒しを求めていること自体、苦しみは避けられないという確信をより強化しています。
そんなやり方では、現実に戻った瞬間に淡い幻想に過ぎなかったことを思い出すだけ、というのは何度も経験していることではないでしょうか。
そのような誘いに乗るのはやめて、受け取る必要のない苦しみは拒否した方がいいに決まっています。
あるいは、別の人は苦しみを避けるために幸福を追い求めます。
しかし幸せを必死で探し求めている間は、いつまでも不幸が一緒についてきてしまいます。
もはや幸せなど求める必要がない、そのように感じられたとき、自分が幸せの中にあることに気づくのです。
もっと自信を持てる人に早くなりたいと思っていたのでは、自分への不信感はいつまでもなくなりません。
つまり将来に今より改善された自分を見つけようとする試みは、いつまでも過去の自分を引きずっているだけだということです。
このような自己改造では、いつまでたっても目の前の問題を起源とする解決策探しに終わってしまい、根本的な自己変革は起こりようがありません。
絶望から解放されるためには、いま思っている様な解決策はすべて役に立たないと認め、まずは、いまの自分のやり方に絶望しきってしまうことです。
いつまでも、いまのような小細工で事態が大きく変わるときが来るなどと希望を抱くのをあきらめてしまうことです。
そうやって手近な拠り所をすべて放り出した状態に入ることは、不安で仕方ないかもしれません。
しかしそうやって今の役に立たない視点を捨てたことで、それらを見下ろす一段上の位置からの視点が持てるようになります。
この問題さえ片付けば考えられると先延ばしをしていた自分が見えてきます。
「この問題が片付いてしまったらその後どうしよう」という問いかけにたいして、実は何も見ようとしていなかった自分が見えてきます。
苦しみがなくなったらどうするか、その状態にいる自分すら想像出来ていなかったことを発見するのです。
想像も出来なかったのですから、そのような自分に到達することなど、そもそもかなわないことだったわけです。
苦しみから解放されたら、そのようなものから逃れようとする気苦労から解放されたら、その時どうしたいと思うのか。
まさにこれをを考えられるようになったとき、苦しみから解放が待っています。
それは、今までのような既存の問題に対する解決のような用意されたものではなく、まさにその場で起きてくる発見の連続であるはずです。
絶望からの解放とは、まずは今の自分の信じているやり方にすべて絶望しそれらを諦めきることが出発点なのです。
「今のやり方を手放したら大変なことになる」と強迫的にしがみついているのをやめようと
悟ったとき、初めて苦しみのない状態で生きることがどういうものかを見始めることが出来ます。
そして、いままで、何度も解放された状態が巡ってきているのに、「幸せすぎてとても本当だとは思えない」と考え、かわりに今できていないことを数え始めることに戻っていた。
そんな自ら機会を放棄していた自分に気がつくでしょう。
それが、最初の問いかけ『「精神的に苦しむことは無駄だ」と言い切る人はどれだけいるでしょうか』に繋がってくるのです。
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生き方037:絶望からの解放~『苦しむことは無駄だ』
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