自己の心理015:人は信じたいものを信じる/感情を見直してみよう001

七夕


★偽霊能力者カルロス(人は信じたいものを信じる)

オーストラリア国民が信じた究極のヤラセ番組『偽霊能力者カルロス』
 
1988年にオーストラリアで放送された「やらせ番組」ですが、番組プロデューサーが仕掛けを最後まで明かさず、国民全部を騙すという大がかりなものだったようです。
長年続いている信頼のある報道番組が、この嘘番組を放送したものですから、国民はすっかり騙されてしまいました。
霊能力者カルロスは本物だとみんなが信じ込みました。
番組では「サクラ」を仕込んでいるので、初めてあった人間の誰も知らない秘密を、カルロスが霊能力で読み取ったと信じ込みます。
「カルロスは本物だ!私は身体でそう感じたよ!」と言い出す人が続々と現れます。
番組ではまた「脈を止める」というテクニックを使ったりします。
サクラではない本物の看護士に脈をとらせて、本当に脈が止まるのを確認させるのです。
これは、実はやり方を知っていれば、簡単にできてしまうテクニックなんだそうです。
最後の仕上げでは、他番組のプロデューサーに、カルロスが偽者だと追及させる「やらせ番組」企画をするようにけしかけます。
カルロスとマネジャーが、偽物扱いされて、ついにキレてコップの水を司会者に引っかけて、スタジオを引き揚げる場面を作りあげました。
これは、逆にカルロスを本物だと信じてやまない人と、疑う人を対立させ、議論を盛りあげてしまいます。
もはや、ただ偽物扱いしたぐらいでは、信じるのをやめない人達を生み出します。
そして最後は番組で、オーストラリアの国民にたいして、これまで番組でやってきたことはすべてトリックであったと告白します。
番組へは当然、非難が集中しますが、「すぐにわかるウソばかりであって、騙されたマスコミこそ非難されるべきでは?」と反論しかわします。
実は、この番組でカルロスを信じた人の中には、番組がインチキだと知らされても、「いやカルロスは本物だ」と信じるのをやめない人がいたそうです。
 
この番組が明らかにしてくれた、人間の心理というものを考えてみましょう。

なぜ「カルロスを信じたかった」のでしょう。

私たちは、毎日不満こそいっぱいあるのに、退屈きわまりない日常に飽き飽きしています。
こんな時、偽物ばかりの霊能力者を見慣れてうんざりしているところに、「今回は本物かも知れない」という期待を見せられると、冷静な判断など重要なことではなくなって飛びついてしまうのです。
うんざりした日常に、新しい世界の可能性を見せてくれたのですから、この楽しみを奪おうとする反対者などは邪魔者なんです。
つまり「信じたい」という密かな欲求があるとき、刺激的な情報に対して、人は容易に冷静さをなくして信じたいものを信じてしまうのです。
つまらない日常に逆戻りするよりは、ついに期待するものが現れたと信じる方が、その人にとっては利益があるのです。
これを信じていれば、少しはワクワクしながら日々を送れるというわけなのです。
このことからも解るように、私たちは、決して「ありのまま」にものごとを見ているわけではなく、私が信じたいように世界を作りあげています。
 
私の世界とは、見たとおりではなくて、私の期待や必要性によって歪められた世界なのです。
何か新しい現実を見せられると、自分の世界にそれを配置します。
自分の世界の中で、配置しようとする場所が狭い場合は、現実の方を小さく縮めて配置します。
自分の関心の高いものは、より前景に配置され、関心や必要度の低いものは遠くの方に押し込めてしまいます。
ただこれは、判断が間違っているから歪められるというよりも、それなりの必要もあってやっていることなのでしょう。
つまり、私たちは現実に生活していく中で、何か新しいものに出会っても、じっくり、ありのままに見ながら時間をかけて取り入れている時間はないのです。
すぐに判定して、どう行動するかを決める必要がでてくるわけですね。
ですから過去の経験から似通ったものを思い出して、それと同類だと判断する方が、現実的で実用的であるという事情が、そこにはあるわけです。
言ってみれば、バカだから騙されるのではなく、人間の心理とはそういうものなのです。
 
 
すねる男子


★感情はあなた自身ではない

「自分は自分でいいんだ」と認められたら素晴らしいと思いますが、言葉で言うのは簡単でもなかなか難しいことのようです。
それは、比較によって自分の存在価値を決めるというやり方が、いつの間にか自己評価そのものに直結するものになっているからでしょう。
自分にとって心地いい評価はあなたの気分を高揚させ、逆に思ったような評価を受けられなかったり無視されることは、ただちにあなたを落胆させるか、あるいはじわじわとあなたの自信を蝕んでいきます。
 
「他からの評価」=「あなたの感情」=「自分の存在価値」
 
こういった3つのことが同一視されて、「あなたの生きがいとはいい感情を持てること」であるかのようになっていくのです。
競争などがもたらすまわりの評価や社会環境は、子ども達を昔よりも追い詰めているようです。

以下に引用したのは、学びの場.com http://www.manabinoba.com/ に寄せられたアグネス・チャンさんの「子どもの存在を丸ごと受け入れよう」というご意見です。

子どもの存在を丸ごと受け入れよう
 
学びの場.com(以下学びの場) 今、日本の学校現場では、子どもたちのセルフ・エスティーム(自尊感情)が低く、自分に自信の持てない子どもが多くなっていると聞きます。教育学の専門家でいらっしゃるアグネスさんから見て、いかがでしょう?
アグネス・チャン
 
アグネス・チャン(以下、アグネス) そうですね。我が子に対し普通に愛情を持って、他の子どもと比べずに育てていれば、その子はセルフ・エスティームを持てるものです。しかし今は、人と比べられたり、競争させられたりという場面が社会全体に増えているので、子どもたちは無言のプレッシャーをかけられているのかもしれません。
 
学びの場 セルフ・エスティームを持っている子どもにはどんな特徴があるのでしょう。
 
アグネス 「自分は自分でいいんだ」という安定した自信があるので、人と自分をやたらと比べません。このため心に余裕があり、他人にも優しくなれます。
 
逆に、セルフ・エスティームが低い子は、人より上位に立つことで、自分の存在価値を確かめようとします。そのため、弱い者いじめをしたり、相手の困った顔を見て優越感を得ようとしたりするのです。でもそうして得られた自尊感情は長続きしませんし、そんなことをしている自分を好きになれないので、自分の中で葛藤が生まれ、素直に伸びていくことができなくなってしまいます。
 
学びの場 どうすればセルフ・エスティームを持った子どもに育てられるのでしょう。
 
アグネス まずは親が、その子の存在を丸ごと受け入れることです。「君のそのままのすべてが好き」って言ってあげるのです。
 
学びの場 小さい頃からですか?
 
アグネス そうです。まだ言葉が分からない、生まれたばかりのときから私は言い続けていました。これは、親が自分自身に言い聞かせるためでもあります。親は他の子を見るとついわが子と比べてしまいがちですから。
 
よく大人になって恋をすると「私みたいな者でも好きになってくれる人がいるんだ」と自信が湧き、そして幸せを感じ、ふたりでいることで力が2倍以上になる、と言いますよね。子どもにとって最初の恋人は親。「あなたは最高よ」という親の思いが、子どもの自信につながるのです。
 
アグネス・チャン 教育学博士、そして母として語る~子どもは自信を持てば、どんどん伸びていきます。 - 学びの場.com http://www.manabinoba.com/index.cfm/4,10875,81,html
 
 
このように「存在を丸ごと受け入れること」は親が子どもに対してしてあげるべきことですが、あなたが自分自身に対しても同じように接することも同じように必要なのです。
「存在を受け入れる」とは、いい感情の時のあなたも、悪い感情の時のあなたも同様に受け入れるということです。
快不快などのあらゆる感情が、あなたの中を通り過ぎていくことはあっても、その感情の浮き沈みで乱されることのないあなた自身に気づくことです。
本当に条件なしにあなた自身を喜べる状態は、あなたが感じていることではなくて、「あなた自身である」ことによってもたらされるからです。
 
よく表面的な状態を海の波に例えますが、感情の海が荒らしであっても、あるいは凪の状態であってもあなたの本質は海そのものであると確信することです。
あなたは喜びを感じれば、それがいつまでも続いて欲しいと願いますが、そのときあなたは自分はその喜びの感情そのものだと思いたがっているのです。
ですが喜びの状態がずっと続くわけではありません。
もっとも、ずっと続いたのでは、喜びも色あせて当たり前の状態としか思わなくなるでしょう。
逆の状態があるからこそ、喜びも感じられるものです。
テレビドラマでは、普通主人公がいくら悲惨な状況に追い込まれても、時期が来ると状況が逆転するように作られています。
視聴者がこれ以上は見たくないと見放してしまう寸前まで困難な状況を作り出し、その後にもたらされるハッピーな状況をより感動的なものに仕上げていきます。
しかし、現実の人生ではこのような作家の采配は行われません。
その人にとっては、もうこれ以上悲惨な状況はごめんだと思っても、いい具合に状況が変わるとは限りません。
感情がすなわち自分自身であれば、もはや耐えられないと感じれば人生を悲観するか、あるいは何らかの方法で「悲惨さなど実際にはない」と無理やり「否認」することに逃げ込もうとします。
感情は結果としてもたらされる体感であってあなたそのものではありません。
物語のストーリー、つまり感情の変化の現れ方を自分で書き換えられないことを認めるなら、
 
「他からの評価」=「あなたの感情」=「自分の存在価値」
 
という図式を切り離して、あなたの存在自体に喜びを感じることを選ぶべきなのです。
あなたの嬉しい感情が薄れてきたとき、苦しさが浮上しないようにすかさず新しい快楽を追い求めるという繰り返しが悪循環を作り出します。
うまく行かないときの人生を否認して存在しない時間のように扱っていると、感情は鈍磨して喜ばしいときが巡ってきてもそれを充分に感じられなくなります。
表面的な浮き沈みを超えた所に喜びを探さないと、本当の安定は感じられないでしょう。
 
 

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